この度の震災で私たちが何かできることを——十三仏真言をお唱えいたします。(仏前勤行次第より)● 不動明王真言のうまくさんまんだ ばざら だん せんだまかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん● 釈迦如来真言のうまくさんまんだ ぼだなん ばく● 文殊菩薩真言おん あらはしゃのう● 普賢菩薩真言おん ...
真言とは、サンスクリット語のマントラを漢訳した言葉です。真実の言葉、聖なる句などの意味があります。
バラモン教やヒンドゥー教の聖典ヴェーダ〔1〕にその起源をみることができます。
古代インドでは、バラモンが神々に捧げる賛歌にある特別なマントラを用いていました。やがて、仏教や密教(秘密仏教)にも取り入れられるようになって中国や日本などに伝わりました。
特に、平安時代の初期に弘法大師によって唐(現在の中国)から直接「密教」(秘密仏教)が持ち帰られ、仏画や曼荼羅、仏具などと共にお経や陀羅尼、マントラ(梵字真言)もたくさん請来〔2〕されました。
※ 参照 : 新旧訳経、梵字真言や曼荼羅、密教法具などの一覧を「御請来目録」(ごしょうらいもくろく)として献上しております。
そして、「マントラ」こそがこの世の「真実」を知る秘密の鍵(神仏との唯一の交信手段)であり、衆生救済の最勝の「法」(ダルマ)であると確信し「真言宗」と名づけました。
ヴェーダ〔1〕とは、紀元前1000年頃から紀元前500年頃にかけてインドで編纂され宗教文書の総称です。
御請来目録(ごしょうらいもくろく)〔2〕とは、空海(弘法大師)が高階真人遠成に託して朝廷に提出した留学成果の報告書。中国から持ち帰った経典や経疏(きょうしょ)、仏画や仏像や仏具などの品目を朝廷に献上した目録。
※ 参考 : 高野山大学(高野山アーカイブ)